INTRODUCTION 「スカイリム」の紹介

スカイリム (The Elder Scrolls V: Skyrim) は Bethesda Game Studios が開発した「オープンワールド」タイプのロールプレイングゲームで、シリーズの一つ前の作品に当るオブリビオン(The Elder Scrolls IV: Oblivion)も一部では熱狂的な人気があり非常に期待されていたゲームです。海外の大手ゲーム雑誌やゲームサイトのレビューで満点が続出*1、日本のゲーム雑誌ファミ通などでも満点。これでもかという前評判で、2011年11月11日に発売され (日本語版は12月8日) 発売から二日で 340万本を売り上げ ( Steam などのデジタル販売は含まない数字)、発売から1ヶ月の時点で全世界出荷本数が1000万本を突破。現在も恐らく売り上げ本数は増加しており、まだまだ記録は伸びそうです。またゲーム開発者によって選ばれるゲーム賞 GDC (Game Developers Choice *2) の GOTY (Game of the Year) に選ばれるなど、各サイトの賞で2011年の GOTY に選ばれています。

パーサーナックスは問いかける

スカイリムのゲーム内で重要な役割を担うパーサーナックスというキャラがいますが、彼は主人公に問いかけます。何故ドラゴンを倒したいのかと。スカイリムはゲームとしての評価は大変なものですが、従来の日本産 RPG に慣れている人には不評と言う部分もあり、熱心なファンとアンチの間での論争も見られます。このスカイリムが面白い、面白くないという論争は、まさにゲーム中に出てくる会話などに象徴されています。スカイリムのゲーム中に登場するキャラクター”パーサーナックス (Paarthurnax) “はプレイヤーに問いかけます。どうして敵を倒さなければならないのか?と、自分は敵を倒す力と運命を持つドラゴンボーンだと答えると、運命だから倒さなければいけない訳ではないはずだと逆に切り返されます。倒す事が出来るのと、倒さなければいけないというのは違うので、何か理由を言ってみろといわれるわけです。そこで、この世界を救いたいからだと答えると、逆に世界を救う事で新しい世界の誕生を阻むかもしれないといわれる訳です。これは前作オブリビオンが 熱心なファンにより MOD 等が追加されて何時までも遊ばれていた事を連想させます。スカイリムも既に沢山の MOD が登場しており The Elder Scrolls の次の作品の誕生を遅らせるかもしれません。これがサブクエストではなくメインクエストの必須の問答で、しかもメインシナリオの中でも非常に長く時間を取らせる問答の一部なのです。まるでメインクエストをやるかやらないかは自分で決めれば良いんだよという開発者のメッセージのようです。そうスカイリムはまさにそういうゲームでメインクエストですら、やるべきかどうかは自分で理由を決めてやっていかなければいけないのです。

そもそも不思議な事にヘルゲンからのチュートリアル的な脱出を経ても、ストーリーの誘導はサブクエストである帝国とストームクロークの争いの方へ向いており、帝国かストームクロークかどちらかの拠点へ行って味方しろというのが初めに出るクエストの指示になっています。一方のメインクエストは、黙って脱出したNPCの後について歩いていった人のみに与えられるわけです。羊のように後を追って歩いたプレイヤーにのみ道筋が見えるメインクエストで、そこでもまた不思議な構造になっています。ゲームに明確な目標がなく出題される問題(クエスト)を待つ場合にのみメインクエストが提示されるといってもいい気がします。さらにその提示されたメインクエストの初めの道筋も、おそらくプレイヤーにとってはスカイリムの初めてとなるはずのダンジョンですが正直割と長いです。他のクエストでは割と簡単な短いダンジョンも多くある事を考えるとむしろ最初のダンジョンにしては長すぎます。しかもそこに謎解き要素も加わっており、人によっては攻略情報を見ないとクリアできないかもしれません。指示が出るまで待ってるような従順さで、無駄に長いダンジョンも忍耐強く耐え、そして簡単なパズルが理解できる程度の知性がメインクエストには要求されます。そして、ここはスカイリムのゲーム中最大の選択肢の一つですらあると思います。なぜかというと、ここでメインクエストのダンジョンをクリアするまでスカイリムの各地にはドラゴンが現れないのです。単にドラゴンがヘルゲンを襲っただけで、その後はどこかへ言ってしまったかのようにドラゴンは出てきません。そしてドラゴンがランダムに襲ってくることがないスカイリムはのんびりとした割と静かな大地で、そういう世界で自由に遊ぶ事もできるのです。メインクエストをクリアするには、それをクリアするという明確な意思を見せることが求められている気がします。そこまでして始めたメインクエストでも、さらにパーサーナックスの質問はプレイヤーに問うのです。仮にそのまま順当にメインクエストをクリアしたとしても、私は個人的にはメインクエストだけをRPGとして見た場合、 Skyrim がそれ程優れているゲームだとは思いません。むしろ大げさな設定と、壮大な設定の割には弱く感じるラスボスという組み合わせで、なんだかゲームバランスが悪いのです。確かにこれを JRPG によくあるように、最速クリアで遊んだとしても、これが評判が悪いのは当たり前というか、事実そんな遊び方をしていたならばモンハンやドラクエの方が遥かに優れています。

単に強くなりたいだけならコンソールからコマンドを打つことで簡単に強くなれてしまいますし、最強のアイテムもすぐ手に入ります。普通にプレイするとしても、敵が強くて簡単にしたければ難易度を下げればいいだけです。 MOD を入れれば全く関係ないゲームバランスまで何でもありです。ただし、それをするかしないかはプレイヤーが決めていかなければいけないのです。しばしば日本では RPG にもかかわらずゲームが競技のように扱われ、最速クリアやタイムアタックなどの遊び方もされますが、 Skyrim はそういう効率プレーなどとは対極にあるようなゲームなのです。欧米の場合 FPS が一大ジャンルとして存在しているので、アクションや PvP などの人間同士の対戦がしたいならそういうジャンルがあるといわんばかりです。スカイリムの 「RPG (ごっこ遊び) の王道を行くのだ!」という意図を見せ付けるかのような会話やシステムは、それ以外の遊び方をする人( NPC の後をついて周るような従順さで、無駄に長いダンジョンにも我慢するタイプで、パズルが解ける程度の知能はあるけど、自分で遊び方を見つけれないので、さして面白くないメインクエストのストーリーを単調にクリアする人)を弾くような一面があるのは否定できないと思います。

開発費が違うから日本の会社には作れない?

しばしば大作といわれるスカイリムですが、開発費は25億。日本では開発費が違うから作れないような事が言われてますが、実はFF13の開発費は36億円と、スカイリムより遥かに多かったりするのです。こう言う数字をみると、日本のゲームは開発費が足りないのか?と思えてきます。

参考

Choke Point | The Elder Scrolls V: Skyrim 海外レビュー
http://www.choke-point.com/?p=10379
4Gamer.net ― 「The Elder Scrolls V: Skyrim」が,発売2日間で340万本の大ヒット。各プラットフォーム向けのアップデートも制作中
http://www.4gamer.net/games/125/G012566/20111116019/

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